こちらの記事は、2016年11月22日、 https://youturn.jp/ に掲載した内容を転載したものです。
はじめに
26歳でベンチャー企業の取締役になった僕は、会社設立から3年半で東証マザーズへの上場を果たしたが、その過程で体を壊し、上場から半年後、体調不良で役員を退任するに至った。この一連の記事では、会社の上場までの4年間の経緯と、病気になって療養した2年間の状況・心境を書いてみようと思う。
これから初めてお会いする人に自分のバックグラウンドを知っておいてもらいたいということもあるし、もし同じように体調に悩みがある人、あるいは心配な人の参考になると幸いだ。
会社設立までの経緯
本題に入る前に、簡単に自己紹介をしておきたい。
1984年に福岡で生まれた僕は、高校までを福岡で過ごし、大学から関東(つくば)に出て、新卒でDeNAに入社した。DeNAでは最初2年間ショッピング事業部に配属。3年目に新規事業室に異動となって、「みんなのウェディング」というサービスに従事することになった。この事業に携わったことが、その後の僕の人生を大きく変えていくことになる。
2010年8月末、「みんなのウェディング」に配属になって5ヶ月が経とうとしていたとき、当時の人事部長から「みんなのウェディングがDeNAから分社独立することになった」と突然の報告があった。そして、DeNAに残るか新会社にジョインするかは従業員の自由意志に委ねられた。
学生時代から将来自分でベンチャーを起こして起業したいと考えていた僕にとって、この出来事は千載一遇のチャンスだった。それに、配属から5ヶ月で既にみんなのウェディングという事業をすっかり好きになってしまっていたし、VCからの調達も決まっていて、新会社にジョインしない理由を探すほうが難しかった。また、一緒に働くメンバーにも恵まれていて、このメンバーと一緒なら分社化しても共に頑張っていけるなと思っていた。
そういった経緯で、2010年10月、株式会社みんなのウェディングはスタートし、僕自身は取締役兼マーケティング部長に就任することになった。
当時僕は26歳。情熱をかけられる事業に、信頼できる仲間、学生時代からの目標だった起業と上場へのプロセス。この時の高揚感は今でも忘れられない。
この時の情熱と高揚感が原動力となって高い目標を越えていくことができたし、一方では、疲労やストレスを忘れさせる麻酔のような働きもしたのかなと、振り返って思ったりする。