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内省の手引きとブログ


【内省の手引き】#012 ステップ9 内なる意志にもとづく意思決定
内なる意志にもとづく意思決定の方法 手放した観念が自分にとって大きなものであるほど、その後の人生やキャリアに大きな変化を生む。 分かりやすい例をあげるなら、「自分が選べる職業は⚪︎⚪︎だけだ」と思い込んでいた人がその制約を取り払ったとしたら、その後に広がる可能性と選択肢の多さに心がおどることだろう。 そのような人生観の転換は大いに喜ばしいことだし、本人のために祝福すべきことだ。しかし、人生というのはよく出来ていて、何かの作用には必ず反作用が発生する。 例えば、観念を捨て去る前の価値観を、家族や大切なパートナーと共有していたとする。自分は内省を通じて自分の世界を広げたのに、周囲はそれを理解してくれない。ともすれば、両者の間に軋轢が生じることもある。 自分自身と向き合って、心に正直に生きようとする人ほど、そのような課題に直面することは多いと思う。 内省の手引き、最終回は観念を捨て去ったあとの意思決定をどのように重ねて、新しい人生やキャリアを切り拓いていくか、その方法について述べていきたい。 意思決定前後に忍耐が必要になるケース 観念を捨て去ったあとに

中村義之
1 日前読了時間: 7分


【内省の手引き】#011 ステップ8 内なる意思と願いの発見
特定した観念を手放せるか 前のステップでも述べたことではあるが、大切なことなので繰り返し述べておく。負の感情を引き起こした観念を特定したとして、それを手放す決断はできただろうか? 前の例でいえば、「自分の会社の経営に対して人からとやかく言われたくない」という観念を発見した経営者は、少なくとも2つの選択肢を持つことになる。 人の意見に耳を貸さずに我が道を突き進むか、そのようなこだわりを捨てて他者の声に対して心を開くかの2つだ。 分かりやすいストーリーを例として挙げているので、読者の多くは当然、取るに足らないこだわりなど捨ててしまうほうが得策だと思うだろう。 しかし、現実的には状況はもっと複雑なことが多い。 それまでの生い立ちや背景・文脈、問題にかかわる人間関係やステークホルダー、社会的一般通念や倫理観、経済的状況や健康状態など、様々なファクターが絡んでくると、特定した観念の是非や軽重は竹を割ったように明快な見え方をしない。 特にネガティブな感情をはらむ問題に直面している当事者は、渦中にいるため問題や自分自身を客観的に把握することが難しい。私が人生相

中村義之
2 日前読了時間: 4分


【内省の手引き】#010 ステップ7 原因となる観念の特定
これまでのステップの確認 何か満たされぬものがあったら泣きさけんで、欲求が満たされたら微笑んで、幼児のように生理的要求と感情とが分かりやすく表現されていればどんなに生きやすいことだろうか。 我々大人はそうはいかない。成長するにつれて社会性を身につけるために、自分の欲求や感情を適切に管理して社会を生きていかねばならない。 家庭や社会での人間関係で揉まれた結果、本来の感情とは異なる表現をするような習慣が身についてしまったり、そもそも自己の感情を表現すること自体を控えるようになることもある。 その結果、何が自分の本当の感情で、自分の本当のニーズは何なのかさえ、見失うようになってしまう。 この内省の手引きで繰り返し「感情を感じ切ろう」と述べているが、そもそも感情を曲解して受け止めていたり、感じるより前に思考で処理しようとしていると、痒いところを厚い服の上から触れているようなもので、直接的な解決には至らない。 本稿ステップ7では感情の原因となる「観念(考え方の偏り)」を取り扱う。こちらの手引きをお読みになる方の参考となるように、対処療法ではなく根本的な原因

中村義之
2 日前読了時間: 10分


【新サービス】メンタルコーチング、始めます。
はじめに 誰かと競い合うのではなく、自分自身の高みを目指す。そんな生き方を志す方のためのメンタルコーチングの提供を開始します。 ビジネスシーンでのコーチングのようにスキルアップを目指すわけではなく、アスリートのメンタルトレーニングのようにパフォーマンスの向上を期待するわけでもない。 成果や結果にフォーカスするのではなく、あえて言うなら、どんな生き方ができるかという「状態」にフォーカスする。人格的、精神的な成熟を遂げるための旅路をともに歩む伴走者としてのコーチングサービスです。 内なる自分に答えを求める方へ 変化の激しい時代、不確実性の高い時代と呼ばれる現代。数年前の価値観さえ過去のものとなり、テクノロジーの発展とともに変化のスピードは増していく。自分が生きているうち、世界はどうなっていくのか。そんな想像や未来予測を自分なりに思索していた時期もありました。しかし、不確実性が高いということは、その予測さえ無意味な行為であるということ。私は30代の半ば頃から世界の変化を追うことを止め、時代への適合を優先する生き方やめていきました。 自分は本当は何がした

中村義之
2025年4月23日読了時間: 9分


【お知らせ】メルマガ始めます。
メルマガ始めます。 内省の輪のホームページをご覧いただき有り難うございます。この4月からメルマガの定期配信(無料)を始めることにしました。内省に興味を持ち実践してみたいと志す方のために有益な内容を配信してきます。第一回目の配信は4月上旬ごろを予定しています。ご興味のある方はぜひHPトップのメルマガ購読フォームからご登録ください。 始める理由 自分の内面の奥深くにある感情を初対面の人間に話したり相談したりするのはとても心理的ハードルの高いことだと思います。それにもかかわらず、昨年10月に内省の輪のホームページを開設して以降、有り難いことに人生相談や内省の対話にお申し込みくださる方がいらっしゃって、お寄せいただくご信頼に毎回とても感動しています。 一方で、高いハードルを前に一歩踏み出せずに躊躇したり、関心はあるけどついつい日常に忙殺されて内省への関心が薄れてしまったりという状況にある方も多々いらっしゃるかと思います。自分の深層の感情(とりわけネガティブな感情)と向き合うことは、やはりタフなことですし、私でさえ時折、内省など避けて通ったほうが楽に生きら

中村義之
2025年4月1日読了時間: 4分


【事前にお読みください】内省を深めるための対話サービスについて
はじめに まずはじめに、「内省の輪」のホームページをご訪問いただき有り難うございます。内省をきっかけにして、自分らしく生きたいと願う方の寄りどころになるような場を作りたい。そう思い立って、内省を深めるための一助となるサービスを提供しています。私の知る限り、世の中に同様のサービスは数少ないと思いますので、サービスお申し込み前にはあらかじめ本記事をお読みいただけますと幸いです。 まず、葛藤ありき 自分の心を丁寧に観察し、感情を大切に取り扱う。そのような生き方を志向する方は、自ずから「内省的」な性格をお持ちのはずです。「内省の輪」では、私なりの内省の手法をご紹介していますが、このホームページに訪れた方の多くが、意識的にしろ無意識的にしろ、ご自身なりの内省に長年取り組まれていることかと思います。 では何故、「対話」をサービスとして提供するのか。それは、人生やキャリアの局面によって内省の難易度が変わるからです。もっと言えば、心に葛藤があるとき、内省は難しくなります。葛藤や悩みが大きいほど、その難易度は増していきます。 心というものは形がなく、それでいて複雑

中村義之
2024年10月7日読了時間: 7分


【内省の手引き】#009 ステップ6 感情の読み取り
「感情」と「感情的」の違い 感情的になっているときに何度も頭に去来する思考や雑念と、根本的な「感情そのもの」は似て非なるものだ。ここまでのステップを何度も繰り返して、感情そのものを身体感覚として受け止める訓練を積むほどに、その違いは明確に感じられるだろう。 感情を感じる訓練に習熟し、それを習慣化すると、自分の意識の中にあるものが「思考」なのか「感情」なのかを瞬時に区別できるようになる。これ以降のステップに関しては、その区別が明確につくようになってから試してみてほしい。なぜなら、ここから先は感情よりも曖昧な「思考」も駆使していくからだ。 思考とは面白いもので、無いものを有るかのように表現したり、有るものを無いかのように表現したりできる。SFやファンタンジーなどの小説がいい例だ。しかし、感情はリアルである。感情は確かにここにある。感情を感じれば感じるほど、疑いようもなく、ごまかしようもなく、身体に宿っている。 内省における思考は、感情に立脚すべきである。思考に立脚する感情などはありえない。持ちようがない。あくまでも、揺るぎない感情を手がかりにして、「

中村義之
2023年6月13日読了時間: 10分


【内省の手引き】#008 ステップ5 感情を感じ切る方法
感情というエネルギーの性質 感情は身体感覚を伴う生理作用だ。ネガティブな感情を感じたくない余り、複雑な現象が起きているかのように錯覚することもあるが、法則としてはシンプルである。何らかの刺激や情報に対して、心身が反応することによって引き起こされる症状であり、エネルギーだ。 樹から落ちる林檎が地面に当たらない限り落下を止めないように、沸騰したお湯の熱が冷めるまで湯飲みを温め続けるように、発生したエネルギー(感情)が治まるためにはそのエネルギーを受け止める対象が必要だ。 感情を受け取るのは誰か 自分を知ることとは自分の心を知ることだ。自分の心とは自分の感情である。自分の感情とは自分の身体の生理現象だ。自分の身体で発生したエネルギーは、責任ある大人であれば自分の中で完結させて決着をつけたいものだ・・と文章で書くのは容易である。はてさて、なんと難しいことであろうか。 怒りを自分で感じずに他者にあたってしまったことなんて沢山あるし、悲しみの原因を他者に求めて責めたことなんて両の指の数では足りそうにない。自分の感情と向き合うことが内省だとしたら、この「感情の

中村義之
2023年6月9日読了時間: 7分


【内省の手引き】#007 ステップ4 感情が宿る部位を特定
筆者にとっての内省は、「自分の感情をとらえることをきっかけにして自分の理解を深めること」である。人間には様々な感情があるが、内省が必要なときというのは往々にしてネガティブな感情に悩まされていることが多い。 ポジティブな感情というのは扱いやすいので、わざわざ時間を設けて内省する必要をあまり感じない。大事なのはネガティブな感情の取り扱いだ。ネガティブな感情は悪いものではない。それと向き合うことによって人生は確実に前進する。 本記事の読者の方もご自身のネガティブな感情と向き合うことを課題と思われている方が多いと思う。それを前提に書き進めて行きたい。 感情の原因となる出来事と向き合う ステップ3までの行程を経て、心身をリラックスさせることができていたら、取り扱い難いネガティブな感情でも冷静に向き合える状態になっているはずだ。 向き合いたい出来事が明確な場合 まず、向き合いたい出来事を想起してみる。その出来事は今日起きた嫌なことかもしれないし、過去のことかもしれない。遠い過去になるほどに記憶を呼び起こすことは難しいかもしれないが、時間をかけてできるだけ具体

中村義之
2023年6月8日読了時間: 4分


【内省の手引き】#006 ステップ3 身体の観察
ステップ2の「身体観察の準備」の態勢が整ったら、身体の観察はそんなに難しくない。ただし、注意深く観察しなければ表層的な情報しか得られずに終わってしまうので気をつけよう。 身体の観察 身体観察の準備が整ったら、自分の身体を頭の先から足先までの感覚をとらえる態勢が仕上がっている。その状態で、すぐに感情をとらえようとしないほうがいい。強い感情であれば把握は容易だが、日々の内省は必ずしも毎回激しい感情と向き合うわけではない。ささいな、しかし気がかりなことがあってソワソワしているときなどは、その所在が分かりづらい。 身体の違和感の発見 下記のような違和感がある場合は、まずはそれらを解消してからでなければ感情をとらえずらい。 緊張感など筋肉が収縮している感覚があるとき 心拍数が高いとき その他、不快な生理現象があるとき 緊張感があるときの対応 まず、自分の身体を頭の先から足先まで観察する。余計な力が入っていたり、力みがある部位がないかチェックする。感情は体の奥で感じていることが多いので、緊張感で筋肉が硬直しているとそ奥にある感覚を感じづらい。...

中村義之
2023年5月1日読了時間: 3分


【内省の手引き】#005 ステップ2 身体観察の準備
これは筆者の癖でしかないのかもしれないが、日常的についつい思考過多になっている。もう少し具体的に言うと、頭部の筋肉に緊張感を持っていることが多い。現代の情報社会では、常に何らかの思考を刺激する情報やコンテンツに溢れているので、共感いただける方は多いのではないだろうか。 内省をする際は、感情という身体現象に着目することが大事だ。身体感覚をとらえる感性を開くためには、できる限り「思考」に意識のリソースを割かない方がいい。頭部の緊張を緩めて、意識を「思考」ではなく「身体」にフォーカスすると、身体感覚を明瞭に観察するための準備が整う。 ここで紹介する身体感覚への意識の集中方法は、瞑想の実践を通して体得した技法だ。文章を読んでもイメージが困難な場合は、瞑想を習慣化するといいと思う。 身体観察の準備 表情筋を緩める 頭部の緊張を取ると言っても中々想像しづらいかもしれない。取り組みやすくするために、まずは表情筋を緩めるところから始めてみるといい。 どんなふうにしてもよいので、グッと表情筋に力を入れてみる。クイッと口角を上げて満面の笑みをつくってみたり、目を思い

中村義之
2023年4月28日読了時間: 5分


【内省の手引き】#004 ステップ1 とめどない思考を止める
瞑想のススメ こちらの手引きで解説している筆者の内省の技法は、筆者が独自でゼロから案出したものではない。坐禅や瞑想の実践から得た経験に、大きな影響と恩恵を受けている。 従って、瞑想を日々実践している読者の方がいたら、とても取り組みやすいものだと思う。もちろん、瞑想に馴染みのない方にもできるだけ分かりやすく解説していくつもりだが、もしご興味があれば「瞑想」あるいは「マインドフルネス」と名のつく書籍を手にとって理解を深めていただくことをお勧めしたい。 ステップ1 思考を止める 「雑念」にとらわれない 最初のステップにして最も難しい行為と言っても過言ではない。思考というものは、とめどなく湧いてくるものだし、怒りや不安の感情に支配されているとき、その思考を止めることは困難だ。 しかし、「思考」にとらわれている限り、内省で大切にしたい「感情」に意識を向けることは難しい。強い感情に支配されているときに湧いてくる思考は、およそ論理的な体裁をなしていない。むしろ、「雑念」や「妄想」「妄念」と呼称した方がふさわしいだろう。 それら「雑念」の正体は、熱くなった感情か

中村義之
2023年4月27日読了時間: 3分


【内省の手引き】#003 内省の手順9ステップ
具体的な内省の技法に入っていこう。基本的な流れとしてはすでに『内省と内観と私』という記事に記載してある。この手引きでは、もう少し踏み込んで詳しく解説していきたい。 筆者が実践している内省の手順を詳しく分解すると下記のような流れになる。慣れてくるといくつかの手順を飛ばしてショートカットすることもできるが、慣れないうちや、難しい感情を取り扱うときは丁寧に実行したほうがいい。 内省の手順 9ステップ 思考を止める 身体観察の準備 身体の観察 感情が宿る部位を特定 感情を感じ切る方法 感情の読み取り 原因となる観念の特定 内なる意志と願いの発見 内なる意志にもとづく意思決定 ※必ずしも番号順に進行するわけではない。例えば、雑念や妄念が強い場合はその都度、思考を止める必要がある。 ほとんどの手順が思考ではなく、身体感覚をとらえる「意識」の活動なので、自転車の乗り方を文章で伝えるかのようなぎこちない解説になってしまうかもしれない。 分かりづらい場合は、随時質問してもらえると幸いだ。筆者の内省ワークショップのメンバーの方はSlackで質問を投げていただいたり、

中村義之
2023年4月27日読了時間: 2分


【内省の手引き】#002 心身の整え方
アスリートに対して、「健康状態を保ちましょう」と伝えるのは当たり前過ぎて言うのも憚られるものだが、内省を深めようとする読者の皆さんに「心身を整えましょう」とお伝えするのも同様に愚かしい気もする。 ただ、あまりにも当たり前すぎるが故にお伝えせざるを得ないし、こういった手引きの書き始めというのはそういうものだろうと自分に言い聞かせている。もしかしたら筆者の当たり前が他の方にとってみたら当たり前ではないかもしれないし、こと内省においてはそこまで徹底しておられない方もいるかもしれない。 身体の整え方 内省を深める際に、身体面で個人的に気を付けていること。 あえて「深める際」と書いたのは、内省というのはどこでも四六時中できるものなので、全ての場合に適用される心がけではない。例えば、夜、自宅等でじっくり自分と向き合うときなど。その内省の質を特別に向上させたいときに心がけるべきことを書いてみたい。 身体を締め付けるものを外す(ネクタイ、腕時計、ベルト等) 汗など不快感があれば入浴する(軽いシャワーでも効果有り) 空腹時は何か食べる。満腹時は落ち着くまで待つ..

中村義之
2023年4月26日読了時間: 4分


【内省の手引き】#001 環境の整え方
「内省の手引き」について 「内省」という行為を、「自分のことを知るために、自分自身の内面の観察をしたり思索を深める行為」と定義した場合、そのための方法やアプローチに正解などないし、人それぞれ自分に合ったやり方を見つけたらいいと思う。 この手引きで紹介するのは筆者自身が内省をするために意識していることなので、あくまでも参考としてご活用いただきたい。その「参考」をきっかけに内省に取り組みやすくなっていただけたら嬉しいし、そこから一歩進んでご自身に合うやり方にチューニングしていただけたらさらに嬉しい。 内省のための環境の整え方 筆者が内省する上で、どんな環境を用意しているかをご紹介していきたい。内省は場所を選ばずどこでもできる行為なので、本来、場所を選ぶ行為ではないのだけれど、内省に「深み」を求めたい場合には、環境に配慮することをお勧めしたい。 自宅で内省する環境 自宅で内省する場合は、できるだけ一人になれる環境がいい。自室があるならばそこが一番いいし、難しければ入浴中や入眠前の寝室も比較的一人の時間を確保できる。 自宅で内省する場合の環境づくりのヒン

中村義之
2023年4月25日読了時間: 3分


人生相談 / 経営相談サービスについて
はじめに オンラインで人生相談、経営相談を承る活動を始めました。どのようなサービスかを本記事にてご紹介いたしますので、ご興味をお持ちの方はお申し込み前に一読いただけましたら幸いです。 私の人生、経営経験 私は、福岡県太宰府市で農園を営む農家です。無農薬・無肥料の自然栽培で野菜づくりをしています。他にもいろいろな活動をしていますが、活動のテーマは一つです。簡単にいうと、「自分らしく生きよう」ということ。 農家になる前は、ベンチャー企業の経営者でした。体を壊すほど働いたこともあったし、倒産の危機も味わいました。会社経営とは、自分の弱さや、自分の限界と向き合うことと言い換えてもいいぐらい、厳しい経験の連続です。 一方で、農業というのは、自然の豊かさや厳しさ、それに身を委ねることの安心感と無力感を同時に味わう生き方です。自分の人格や能力を試される経営と、自分の無力さと自然体の心地よさを味わう農業。対極にある生き方、働き方を経験してきた人生です。 人生相談をご検討の方へ これまで多くの方からお悩みの相談を受けてきました。多種多様な相談に乗ってきましたが、共

中村義之
2023年2月6日読了時間: 8分


ベンチャー経営者だった僕が農家になった理由。「ただここにいるだけでいい」を信じる旅(7/7)
感覚や直感で生きる? 時を遡って2019年6月、僕は「森のリトリート」というプログラムに参加した。友人の成澤俊輔さんからの紹介で、株式会社森への代表(当時)であられた山田博さんにお会いしたことがきっかけだ。 当時の僕は、今よりも悩み多き時期を過ごしていた。病気をきっかけに生き方や働き方を見直していた頃。活動の中心を東京から福岡へ移し、のちに挫折したものの農業にも手を広げていた。 ビジネス一辺倒だった頃の僕が出会うことのなかった、多種多様な価値観や人生観を持つ方々に多く出会い、様々な経験を共にすることを通じて、それまで当たり前だと思っていた価値観や世界観に大きな揺さぶりを受けていた。 さらに、創業した会社は大赤字の真っ最中。大病をしたあとに意を決して創業した会社が失敗する不安。なかなかうまく軌道に乗らず、焦っていたし、自信も失いつつあった。 「中村くんは考えてばかりいるから、もっと感覚とか直感に身を任せたほうがいいよ」 新しく出会った人生の諸先輩方が、口裏を合わせたかのようにそのように仰る。これまでは、「思考」というものをどれだけ研ぎ澄ますことがで

中村義之
2023年2月3日読了時間: 9分


ベンチャー経営者だった僕が農家になった理由。「ただここにいるだけでいい」を信じる旅(6/7)
想いを受け取るカタチ お金がない、でも稼げない(稼がない)、という行き詰まりで途方に暮れていた2022年11月某日。 「久しぶりに飲みにいきませんか?」 友人経営者の北川さんがLINEでお誘いしてくれた。今ちょっと金欠なので・・とお断りすると、「おごるので行きましょう」とのこと。断る理由がなくなった僕は日程を提案した。 飲み会の冒頭で、僕の金欠について心配してくれた北川さんの質問に答える形で、命とお金の葛藤と、稼ぐ意志がなくなっている状況について打ち明けた。 最初は僕の相談話だったけれど、湿っぽい飲み会は好きじゃないので、北川さんの会社経営や今後の事業方針についての話に話題を変えた。僕は人の会社の経営について一緒に考えるのが好きで、おせっかいかもしれないけれど、ついつい経営者自身と会社がもっとも輝く提案とか私見をお伝えしたくなってくる。 そんなふうに飲み会が進んでいって、そろそろ帰りましょうか、という頃だったと思う。 「今日、中村さんからもらった提案とアドバイスに対して、コンサルティング料を支払いたいので明日請求書を送ってください。」...

中村義之
2023年2月2日読了時間: 10分


ベンチャー経営者だった僕が農家になった理由。「ただここにいるだけでいい」を信じる旅(5/7)
農業の再開 会社の代表を退任する半年前の2021年4月、前年度の黒字化をきっかけに、数年前に撤退していた農業を会社の事業として再開することになった。 僕はメンタル疾患の療養中、無農薬の米と野菜で劇的に体調が改善した経験がある。そして、すでに述べたように大自然に心身を癒され、活力を回復するという恩恵も受けた。そんな僕にとって、農業という活動は言葉では言い尽くせないほど、あらがいがたい魅力があった。 福岡県太宰府市の中山間地に畑を借りて農園運営をスタートした。太宰府の霊峰、宝満山と四王寺山に挟まれた谷筋辺りの立地で、すぐ横を御笠川が流れている気持ちの良い場所だ。 開始直後の畑の様子 会社として農業専属のスタッフを雇用する選択もあったけれど、諸事情あって、代表である僕個人が農園専属になることを決心。会社の業務を午前中にこなして、午後から畑に繰り出すという日々が始まった。 畑仕事と内省の日々 4月から毎日畑に立つ日々と、会社をやめるきっかけになった葛藤を抱えていた時期とが偶然なのか必然なのか、重なることになった。自分の心を内省する環境としては最適だったと

中村義之
2023年2月1日読了時間: 9分


ベンチャー経営者だった僕が農家になった理由。「ただここにいるだけでいい」を信じる旅(4/7)
断崖絶壁のお堂 「このお寺に参詣したいんですが、2名以上じゃないと入山できないので、一緒に行ってくれませんか?」 当時、よく一緒に山に登っていた友人の泉健治郎さんにこんなメッセージを送ったのは、2021年6月末ごろだったと思う。 泉さんは、上場経験のある起業家で、彼が福岡に移住する前後に知り合った。知り合ってからの年月は浅いものの、僕は彼の人柄が好きになり、事業の相談や壁打ち相手になってもらっていた。 僕からの突然のお誘いにもかかわらず、泉さんは二つ返事で快諾してくれて、8月ごろにそのお寺に参詣する予定が決まった。 そのお寺というのは、鳥取県の山の中にある「三徳山三佛寺」。 その境内にある「投入堂」という断崖絶壁に建てられたお堂に参詣するには、滑落の危険のある細い山道や、鎖を使ってよじ登る急登を越えていかなければならない。参詣道の入り口には受付があって、安全のため、2名以上のグループでなければ入山できないことになっている。 例によってひょんなことからこの投入堂に参詣したくなったので、泉さんにお声がけしたというわけだ。 参詣道中の対話...

中村義之
2023年1月31日読了時間: 9分
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