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執筆者の写真中村義之

ベンチャー経営者だった僕が農家になった理由。「ただここにいるだけでいい」を信じる旅(1/7)



こちらの記事は、2023年1月28日、https://note.com/ に掲載した内容を転載したものです。

はじめに


「起業」、「起業家」、「ベンチャー」、「スタートアップ」


大学時代に起業を志し、20〜30代を起業家・経営者として駆け抜けた僕にとって、郷愁さえ感じる言葉たち。甘酸っぱい香りまでたちあがってきそう。


僕は、「起業家」という職業の衣装を着ることが好きで、とても気に入っていた。あまりに愛着があり過ぎて、死ぬまで一生この生き方を貫くだろうと思っていた。


本当に。つい最近までは。


そんな僕が、起業家という衣装を脱ぎ捨てて、「農家」になった。今では毎日、畑で野菜をつくっている。


起業家としての僕を知ってくれていた方たちにとって、突拍子もない変化に思われたことだろう。


当時は、「農家になる」という決断が自分の気持ちよりもずっと前を走っていて、なんでそんな決断をしたのか、自分でもうまく説明できない状態だった。


起業家としてのキャリアを断ち切った理由について、あまり説明を尽くさずに身をひいたので、それ以来疎遠になってしまった方々もいる。


最近になってようやく、自信をもって自分の言葉で表現できるところまで辿り着いた。

昔からの友人やお知り合いに読んでいただけたらとても嬉しいし、これから初めてお会いする方々への名刺がわりのブログになったらいいな。


僕は数年おきに自分のライフストーリーをブログにしたためてきたのだけれど、この一連のブログはその3作目。


もしこのブログで初めて僕のことを知っていただいた方は、以下のブログからお読みいただけると嬉しい。



筆者について


上記2作のブログを読む時間がない読者のために、このブログで取り扱う時分にいたるまでの自分のキャリアを簡単にご紹介したい。


●   大学時代に起業を志す

●   新卒で東京のIT系ベンチャー企業に入社

●   同社から分社独立したスタートアップに取締役として参画

●   分社独立から3年半で東証マザーズに株式上場を果たす

●   上場から半年後にメンタル疾患のため退任

●   約2年の病気療養を経て、地元福岡で起業

●   創業から4期連続大赤字で上場で得た資産が全焼

●   倒産の危機を乗り越えて5期目で初の黒字化


「簡単に」と前置きしたのに「●」が8つにもなってしまった。自覚している以上に歳を重ねたということかな。


僕は現在38歳。今年2023年で39歳を迎える。上記8つの「●」の項目すべてに、起業や経営に関する内容が含まれている。


20代から30代を全力で起業・経営に身を投じてきた僕が、なんでまた農家に転身することになったのか。果たしてちゃんと説得力のある内容になるのかいささか不安ではある。


まぁでも仕方ない。大河に隔てられたように遠く離れた2点を結ぶ、橋渡しをやっていこう。最後までお付き合いいただけたら幸いだ。


今から時を遡ること3年、2020年初頭、福岡で起業した会社倒産の危機。そして、大逆転の黒字化前夜。まずはここから話を始めていきたい。



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