こちらの記事は、2020年7月15日、https://note.com/ に掲載した内容を転載したものです。
起死回生の実績が続出。辛くも生き延びる
キャッシュ残高は残り数ヶ月分、コロナに追い討ちをかけられた今年3月。なんと、そんなギリギリの状況で奇跡的に人材紹介の決定が続出。これまで決まらなかったことが嘘のように実績が出て、2ヶ月後にキャッシュアウトする見込みが、なんと10ヶ月近く先延ばしになるほどスパイクした。
サービス開始から昨年度までの移住転職の実現件数
5期目、黒字化が確定
その後、4〜6月の2020年度第1四半期も順調に実績を積み上げ、7月現在の売掛金が、来年3月までの必要コストを上回るほど積み上がって、創業以来初の黒字化が確実になった。
創業〜これまでの四半期実績
いったい、この苦しみ続けた4年間は何だったんだろう。開いた口がふさがらないほどの劇的変化で、いまだに信じられない気持ちだ。
結果的に、Jカーブを描くことができたわけだけど、運が足りなかったら、そのまま撃沈していた可能性だってある。
劇的すぎてにわかに信じられないけど、これだけは確実に言える。
・メンバーが本当に力を尽くしてくれた
・クライアント企業や移住希望者のみなさんに本当に助けられた
・多くの人に支えられ、応援されて、生き延びることができた
もちろん、それだけ支えられても、うまくいかなかった可能性もある。
運が良かったんだと思う。
僕が4年間恐れ続けたもの
僕はこの記事で再現性のあるノウハウや考え方など教訓じみたことを言うつもりはない。
病気で自信を失って、気が弱く、迷いに迷った僕という人間のストーリーを、ただただ表現できたらいいと思ってる。そのほうが自分らしいなって。
それでもあえて共有したいことを挙げるとしたら、この4年間に僕が何を恐れ、その恐れとどう向き合ってきたか、ということかな。
もしかしたら、読者のみなさんにも共通するものがあるかもしれない。
僕が恐れ続けたもの
・病気が再発する恐怖
まず一つ目は、病気再発の恐怖。また何年も働けなくなる、社会的・経済的に「落伍者」になる恐怖。「あいつは弱いやつだ」と後ろ指を刺される恐怖。
・人が自分から離れていく恐怖
こんなに弱く、迷い、自信のない自分を見透かされる不安。自分の醜いところが暴かれて、どんどん人が去っていく恐怖。
・無一文になる恐怖
前職のキャピタルゲインがある状態で起業できるなんて、本来であればめちゃくちゃ恵まれている条件だ。でも、一度手にしたものを失う恐怖。無一文になって、身一つで生きていけるのかという不安。
・無価値な人間と思われる恐怖
「赤字の会社なんて存在している価値がない」、「移住を実現させてない移住支援会社なんて存在している価値がない」、そんな声が自分の頭の中でこだまする。価値のない存在と思われたくない。そんなのとってもみじめだ。
結局僕は、こんな恐怖と4年間ずっと戦ってきたんだと思う。いや、4年どころじゃないか。前職で病気になったのも、こんな恐怖に駆られて働いていたからだ。きっと。
なんとか黒字化して、ほっと胸を撫で下ろしている今、これらの恐怖が消えているか。
それは明確に「No」だ。今も、ある。
恐怖と向き合って、その裏側を覗く
去年から今年にかけて、いろんなリトリートプログラムやコーチングを受けて、自分の内面ととことん向き合った。
僕は気が弱くて、臆病で情けない人間だ。
そう、小さい頃からそうだったんだ。
だから、そんな自分が嫌で、強くなりたかったし、
本来の自分を押さえ込んで虚勢を張って生きてきた。
もう、そんな生き方はやめにしよう、って決めた。
繕わず、纏わず、そのまま。
そのままの自分でいるのが楽だし、安心感がある。
病気になりたくないのは、健康でありたいからなんだ。
人が離れていくのが嫌なのは、人とのつながりを大切にしたいからなんだ。
無一文になるのが怖いのは、「何かを所有しないと生きてけない」っていう幻想だった。
無価値な人間になりたくないのは、価値のない人間なんていないって信じたいからだった。
恐怖の裏側にある、自分が大切にしたい想いに気づけた時、とても清々しい気持ちになった。
ようやく黒字になったけど、きっとこれからも困難や試練と向き合っていかなきゃいけないと思う。
それが経営だし、人生だ。
うまくいかねぇな、ままならぬ世の中だな、
よし、それもまた自分の人生。きっと何か意味があるし、自分の人生なんだから勝手に意味付けしちゃおう。
辛い体験に、事後に振り返って感謝できる人間でありたい。
それができるようになったら、辛いことを経験している最中に、今の苦境に感謝できる人間になりたい。
起業家なんて、大変なことを経験するためにやってるようなもんだ。
これからも起業家として挑戦しつづける人生を歩んでいきたい。