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執筆者の写真中村義之

上場&うつ病後に起業した僕が、4期連続大赤字でキャピタルゲイン全焼→5期目で起死回生の黒字化を果たした話(3/5)



こちらの記事は、2020年7月15日、https://note.com/ に掲載した内容を転載したものです。

ブログの反響で社会復帰を実感


1期目の年末ごろ、求人サイトの開発は間に合わなかったけど、ひとまずブログメディアだけでもリリースしようと思って、YOUTURN Blogを開設。


そこで上場と病気の体験記事をポストしたら、とても多くの反響をもらって、福岡に移住したい人や地域で活動している人にたくさん出会うことができた。


それまで「ぼっち起業」で人に会うのを避けてひきこもってた訳だけど、ブログの反響で「社会復帰できた感」が嬉しくて、「こんなに共感してもらえるんだったら仲間集めしたい!」と思うようになっていった。


そして、いろんな出会いでいろんな気づきを得て、「地方ってこんなことも、あんなこともできるよね」という可能性に夢をふくらませていった。


2期目は、僕の多動の傾向が裏目に出た年だったなと、振り返って思う。このときに撒いた種に今でも後悔はないけれど。


2期目の活動


・農業を志す

「え?なんでいきなり農業?」って感じですよね。はい。

こうやって客観的に振り返ってみると、突っ込みどころしかないな・・

なぜ農業を始めたかについては、「僕が農業を始める理由」というブログに詳しく書いたのでここでは触れないけど、近い将来また挑戦したいと思ってるぐらい本気だった。


・フルタイムメンバーが4名に

まだ創業事業をローンチさえしていないのに、一人増え、また一人増え、、最終的には取締役(自分入れて)3名、正社員1名という体制に。

最初のスモールスタートのスタイルから着実にズレてますね。ブレブレ。


・求人サイトをローンチ

2期目の7月にようやく、福岡移住専門の求人サイト「YOUTURN」をローンチ。新たに

ジョインしてくれたメンバーのおかげで、業務のスピードが早まった。


・郊外に空き家を借りて、メンタル疾患のリトリートプログラムを開始

はい、いろいろ手を広げてますね。多動です。まだ1円も売上立ってないのに。



徐々にコンディションがよくなってきた2期目


2期目は、ブログの反響が自己肯定感につながって、自信を取り戻していったんだと思う。人に会うのも疲れなくなってきた。


人との出会いで「地方の可能性」に対する展望が一気に開けてきて、「福岡で起業したこと」に迷いがなくなり、「いろいろやりたくなってきた」ということだったのかな。


病気で2年間ふさぎ込んで、自信を失っていた自分にとって、久しぶりに感じられた高揚感で気が大きくなっていたのかな。



2期目の苦労と反省


・キャッシュが減っていく恐怖

メンバーが3名増えたわけで、それまでよりも勢いよく減っていくキャッシュ・・。収益化していないのに人を増やしたのは自分なんだけど、焦燥感もまた募っていく。


・人を増やしたのに多角化でリソースを分散

農業やったり、リトリートプログラムやったり、人は増えどもリソースを分散していて、結局収益化に向けてのスピードは上がっていない。


なぜ多角化して、リソースを分散させていたのか。経営的には「悪手」であることは、冷静に考えると分かるのに。


それは、自信の低さから生じる「迷い」だったと思う。


「本当に移住転職の人材紹介はうまくいくのか?」


つまるところ、これに尽きるなぁ。当時、本当に自信がなくて、うまくいくか分からないし、「いろんなものに張っておきたい」という不安があったんだと思う。


・移住転職支援の難易度に気づく

その自信のなさに輪をかけて、この事業の「難易度」に気付き始めてきた。

「移住したいけど、早くても数年後」っていう人が多いのだ。住む場所も職場も全部変わるわけだから、当然のこと。


「早期にマネタイズしたい」と思っていた自分にとっては盲点だった。「イージー」だと思っていたけど、難易度高いビジネスに手をつけちゃったな、という焦りも、健全な経営の意思決定を阻む要因になっていたと思う。



出口が見えないトンネル


ここのくだりを書いてると、当時の鬱々とした気分が甦ってきて暗い気持ちになってきた(冷汗)

そんな2期目が終わる頃、別れと出会いがやってきた。



一度目の別れ、そして出会い


取締役だった友人が退任

2期目の終盤、取締役としてジョインしてくれていた友人が退任した。お互いの方向性を尊重した結果だけど、

「自分に求心力がないからだ」

とか、

「自分がブレてるからだ」

とか自分を責めちゃって、

友人の新しい門出を応援したいものの、複雑な心境だった。



人材紹介のプロとの出会い

そんな別れがあった矢先、人材紹介のプロである高尾さん(現YOUTURN取締役)と共通の知人を介して出会い、意気投合。業務委託として人材紹介事業を手伝ってもらえることになった。


今思えば、とても大きな出会い。運が良かったなって、つくづく思う。

紹介してくださった井上さん、ありがとうございます!



3期目、人材紹介初決定!


スタートアップって、逸材が1人ジョインすることで一気に事業のステージが前に進むことがあるけど、まさにそれだった。


高尾さんのジョインから2ヶ月後、会社を設立した2年後の2018年1Qに、人材紹介の初決定をつくることができた。


まだまだ赤字の状況は変わらなかったけど、文字通り「0→1(ゼロイチ)」が成立したわけで、このときはめちゃくちゃ嬉しかった。


あれもこれもと、煮え切らない意思決定をしていた自分だったが、さすがに1件決まったとなると、腹を括ることにした。「一気に投資して、機を逃さず立ち上げきろう」



3期目の活動


3期目の経営に関しては、後悔とか失敗とかはあんまりなくて、今振り返ってもいい1年間だったと思う。


・資本金を大幅に増資

前職のキャピタルゲインの大半をここで突っ込む。今勝負しないと永遠に立ち上がらない直感に従い、思い切って投資。


・副業メンバーを採用(マーケ、編集、広報など)

移住転職希望者のリード獲得を最大化すべく、パラレルで手伝ってくれるメンバーを4名採用。しっかりKPIを爆上げしてくれた。サイトの会員登録数の推移を添付してみた。2018年9月ごろから如実に数字が伸びている。






コンディショニング関連の取り組み


一気にアクセル踏むために、自分のコンディション管理にも力を入れた。


・経営メンターを設置(月1実施)

ピースマインドの創業者で、現ゼロトゥワン株式会社代表の荻原さんに経営のメンタリングをお願いした。以後、自分の壁打ちをしてもらえる「プロの第三者」を持つことの価値を大いに感じていく。


僕はいつも迷い、ブレているので、荻原さんからいただける客観的な示唆やアドバイスは、僕の精神安定剤だし、自分の意思決定に確信を持てる後押しをしてもらっている。



・ファスティング(断食)を半年に一度実施

ずっと病気の後遺症を抱えていた僕だけど、「病気になる前より元気になった!」と思えたのは、ファスティングのおかげ。


信頼するセラピストの人にいつもお願いしている。「一生付き合わなきゃいけない」と思っていた後遺症から解放されたのは大きな心理的安心感につながった。


・フードコーチの食事指導とモニタリングを導入

断食でリセットされた体調を維持・向上するために、日々の食生活にも気を配ろうと思い、フードコーチに伴走してもらっている。


毎日毎食、自分が喉を通すものは全て写真をSlackで共有していて、食事のバランスや体調をモニタリングしてもらっている。すでに1年半以上続けてもらっているが、コンディションを大きく崩すことがなくなった。



KPIは上がる、しかし売上は立たない長いトンネルへ


ここまで読み進めてもらえると、「お、いよいよ事業が立ち上がるのか?」

と期待してもらえると思うんだけど、そう簡単なものではなかった。


結局、3期目に移住転職をサポートできたのはわずか2件。


黒字化にはまだまだ程遠い実績で、急増するKPIの数字をただ信じて、突き進んでいくしかなかった。そして、4期目になって、状況はさらに悪化していく。



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