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執筆者の写真中村義之

【内省の手引き】#002 心身の整え方

アスリートに対して、「健康状態を保ちましょう」と伝えるのは当たり前過ぎて言うのも憚られるものだが、内省を深めようとする読者の皆さんに「心身を整えましょう」とお伝えするのも同様に愚かしい気もする。


ただ、あまりにも当たり前すぎるが故にお伝えせざるを得ないし、こういった手引きの書き始めというのはそういうものだろうと自分に言い聞かせている。もしかしたら筆者の当たり前が他の方にとってみたら当たり前ではないかもしれないし、こと内省においてはそこまで徹底しておられない方もいるかもしれない。



身体の整え方


内省を深める際に、身体面で個人的に気を付けていること。


あえて「深める際」と書いたのは、内省というのはどこでも四六時中できるものなので、全ての場合に適用される心がけではない。例えば、夜、自宅等でじっくり自分と向き合うときなど。その内省の質を特別に向上させたいときに心がけるべきことを書いてみたい。



  • 身体を締め付けるものを外す(ネクタイ、腕時計、ベルト等)

  • 汗など不快感があれば入浴する(軽いシャワーでも効果有り)

  • 空腹時は何か食べる。満腹時は落ち着くまで待つ

  • 空腹時、何か食べるときは刺激の強い食事は避ける

  • 呼吸を整える。できるだけ長い呼吸で、吐くことに集中する

  • 呼吸をゆっくり、長くすることで心拍数が落ち着かせる

  • 眠たいときは無理に内省しない。寝た方がいい。

  • 休日の昼間などに眠気がある場合は仮眠をとってから

  • 疲労蓄積時、風邪などの体調不良時は休養を優先する



自分が心がけていることを書き出してみると、「リラックス」「ハイでもロウでもない中間の気分」「無理しない」ということを大事にしているみたい。


前回の「手引き001 環境の整え方」でも書いたように、内省で取り扱う「感情という情報」以外の刺激・情報はできるだけ少ない方がいい。自分にとって心地よい状態、リラックスしている状態が望ましいのは、その方が感覚を広げることが容易だからだと思う。


逆に、疲労困憊や風邪のときはどれだけ感情以外の情報を遮断しても、感覚が閉じてしまっているので生産的な内省には向かない。眠気が強いときも同様。そういった場合は無理せずに休養をとるべきだ。



心の整え方


内省を深める際に、精神面で個人的に気を付けていること。


他の記事でも何度も書いているように、心と体は密接につながっているので、身体を整えると自ずと精神も整うようになっている。なので、上記の「身体の整え方」であらかた準備は済んでいる。それらを済ませた上で、さらに筆者自身が心がけていることを書き出してみる。



  • マインドシェアを奪われている仕事や作業は片付けておく

  • 激しい感情を抱いているときは、しばらく落ちつくのを待つ

  • 対人関係で激しい感情があるときは、感情が収まるまで行動を慎む

  • お香を焚く、アロマの匂いをかぐ(気分が落ち着く香りを)

  • 好きな本の一節を軽く読む(おすすめは瞑想の本や詩集など)



書き出してみると面白い。要素を抽出してみると、「何かに心を奪われている状態」を終わらせること、「意図的に一つの感覚に集中」してみること、という心がけをしているようだ。


例えば、締め切りが迫っている仕事があって、どうしても気を取られてしまう場合は、キリがいいところまで終わらせてしまった後のほうが内省に取り組みやすい。激しい怒りの感情が湧いて、居ても立っても居られない場合も、できるだけ自制して衝動的な行動は控える。

リラックスできる香りをかぐのは本当におすすめで、自分の好きな香りを一つ持っていると、心を落ち着かせる助けになる。


それから、筆者が特におすすめするのは、気持ちが落ち着く本を何冊か持っておくことだ。瞑想の指南書を読むこともあるし、仏典の解説書などを活用することもある。ただ、気を付けたいのは、心を落ち着けることが目的なので、初読の本ではなく、何度も読んだことのある本がいい。


さて、環境が整って、心身も整った。ようやく具体的な内省の手順について書いていくことにする。




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